虫捕りは危険!?公園や森など身近に潜む注意すべき虫と予防策

- 公園や森で虫捕りをしているけど、危険な虫もいるの?
- 刺されたり、噛まれたりしないための予防方法はあるの?
気軽にできることから、公園や森で虫捕りを行う親子は大変多いです。
しかし自然の中には危険な虫たちも潜んでいます。公園や森で虫捕りを楽しむ際には、注意が必要な虫たちがいることを知っておくことが大切です。
この記事では、身近に潜む危険な虫たちについて紹介をします。
この記事を読むことで虫捕りを行う際に注意する必要がある虫たちを知ることができ、子どもを自然の脅威から守ることができます。
「備えあれば憂いなし」。身近にはどんな危険な虫がいるのか、一緒に見ていきましょう。
ハチ(スズメバチ)

知らない人はいないであろう「スズメバチ」。特にオオスズメバチは、日本では最も危険な昆虫の一つとして知られています。
スズメバチの脅威は攻撃性の高さと強力な毒針です。
ハチの活動が活発になるのは4〜10月ごろ、虫捕りをする公園や森などに現れることが多く庭や住宅の軒下などに巣を作ることもあります。
刺されると痛みや腫れを引き起こすだけでなく、アナフィラキシーショック(アレルギー反応)を起こして最悪の場合、死に至ることもある虫です。
毛虫(チャドクガ・イラガ)

子どもが好きなイモムシと似て可愛い見た目で種類も多い毛虫。
代表的なチャドクガやイラガの幼虫は毒針の毛を持ち、触れると強いかゆみや皮膚炎を引き起こします。
また、毛が目に入ったり、吸い込んだりすると重篤な症状を引き起こす可能性もあります。
チャドクガやイラガなどの毒針を持つ毛虫が多く発生する時期は5月〜10月ごろです。
チャドクガの毛虫は主に公園や自宅の庭のバラやサザンカ、ツバキなどに現れることが多く、イラガは柿やサクラの木に多く現れます。無闇に触れることは大変危険です。
毒針を持たない毛虫もいる?


毛虫=毒針を持った虫。触ると危険。と思っている人も多いのではないでしょうか。
実は、毛虫でも毒針を持っていない、アメリカシロヒトリやツマグロヒョウモンといった触れる毛虫も存在するのです。
ムカデ

特徴的な姿をしているムカデも強い毒を持つ注意すべき虫の一つです。
ムカデの毒は頭の近くにあります。
「セロトニン」や「ヒスタミン」と言われる毒で、刺されるとすぐに激しい痛みに襲われます。
ムカデの活動期間は5月〜10月ごろ。湿気が多く、暗くて狭い場所を好みます。ですので、雑木林や森などで虫捕りを行う際は、足元に注意が必要です。
ちなみにゴキブリやクモを捕食するため、家に侵入していることもあります。
蚊

夏になるとそこら中を飛び回っている蚊。蚊に刺されることでかゆみや腫れが起こり、とびひになるなど重症化します。
子どもが行う予防接種の一つ「日本脳炎」は蚊を媒介とした感染症です。
蚊の活動期間は3月から10月ごろで、特に7月から9月が最も蚊の発生が多くなります。
皆さんご存知の通り薮や草むらをはじめ、公園や住宅街などいたるところで遭遇します。
アブ

アブは10~30mmと比較的小さな虫ですが、皮膚を噛みちぎって吸血をするため、激しい痛みや皮膚の腫れを伴います。
アブの活動期間は6月から9月で主に湿地帯の近くに生息しており、他には草地や林の中、キャンプ場でも見られます。
マダニ

春から秋はダニの一種であるマダニにも注意が必要です。
屋外に生息するマダニの体長は吸血前で3~8ミリメートル、吸血後で10~20ミリメートル。
森林や公園、住宅地の草むらに生息しています。
マダニは感染症(重症熱性血小板減少症候群(SFTS)、ライム病、日本紅斑熱など)を媒介する危険な虫で、人に噛み付くと、数日から1週間以上に渡り吸血をします。
もしもマダニが噛みついていることが分かった場合、無理に引き抜くとマダニの一部が身体に残る場合がありますので、医療機関を受診するようにしましょう。
ヒル(ヤマビル)

ヤマビルは、4〜10月にかけて活動する森・山にある川や池などの水辺に多く生息する吸血性の虫です。
体長は約1〜2cm程度ですが、吸血すると5cmほどまで膨らむことがあります。
吸血は鋭い歯で皮膚を切ります。その際は痛みを感じさせない麻酔物質を分泌し、唾液には血液凝固を防ぐヒルディンという物質が含まれているため、出血が続きます。いつの間にか足が血だらけになる怖い虫です。

私も経験がありますが、長ズボンをはいていても靴下の隙間から血を吸われ、痛みを感じず、全く気がつきませんでした。
アオカミキリモドキ
春から夏にかけて家の庭や花畑、公園などで見かけるアオカミキリモドキ。夜の自動販売機の明かりにも寄って来ます。
体長は1〜1.5センチと小さく、美しい金属光沢のある緑色の体が特徴です。
アオカミキリモドキは体内にカンタリジンという強力な毒素を持っています。
この毒素は触れただけで皮膚から吸収される可能性があります。
そのため毒液に触れると激しい痛みや火傷に似た水泡ができてしまいます。
虫刺されに対する予防策

長袖長ズボン・帽子を着用する
蚊や毛虫は小さいものが多く、「こちらが気がつかないうちに刺される」ということもあります。虫捕りを行う際は肌の露出を最小限に抑える服装を心がけましょう。
また、スズメバチは黒と白に反応するため、昼間は黒い服に反応すると言われています。虫捕りの場合は、着る服やズボン、リュックは明るい色のものを選ぶようにしましょう。
靴はサンダルではなく、履き慣れた運動靴
足を露出することでムカデに刺される可能性が高くなります。雑木林や森に行く際はサンダルではなく、必ず靴と靴下を履いていきましょう。
虫除けスプレーを使用する
蚊やアブなどは虫除けスプレーを使用することで近寄ることを防ぐことができます。
6ヶ月のお子さんから使用できるものも発売されています。外出時には有効成分を含む虫除けスプレーを使用しましょう。
おすすめの虫除けスプレーやベープは「昆虫博士も実践する4つの蚊・虫除け対策方法」もご覧ください。
【ハチ】巣には絶対近づかない
ミツバチやアシナガバチなど、スズメバチ以外のハチは、こちらから攻撃しなければ襲ってくることはありません。ハチやハチの巣を見つけたら姿勢を低くして、静かにその場を離れましょう。
行政が管理している公園の場合は、管理者(市の公園管理部署)へ通報をお願いします。巣の撤去やハチの注意喚起を行ってくれます。
【ハチ・アブ】香りの強い化粧品や甘い飲み物、食べ物は避ける
スズメバチやアブは香りの強いものや甘い匂いに反応します。公園や森に行く場合は香水の利用やジュース・お菓子の取り扱いに注意してください。
【毛虫】素手で触らない
多くの毛虫は体の表面に刺毛を持っています。これが皮膚に刺さると痛みや発疹を引き起こすのです。絶対に素手で触らないようにしましょう。毛虫に触れてしまった場合、ガムテープなどで毒針毛を抜き、すぐに流水で洗い流し、かゆみが強い場合は冷やすと効果的です。
まとめ
虫捕りをする場所として選ばれる身近な公園や森、池、川などには様々な虫がいます。狙っている虫もいればもちろん刺されると危険な虫もいます。虫捕りに集中するために身近に潜む危険について本記事を参考にしてもらえれば幸いです。
「【子どもと虫捕り】昆虫博士も実践する4つの蚊・虫除け対策方法」では、私が実践している虫除け対策についても紹介していますので、ぜひ併せてご覧ください。
