学び

虫嫌い・苦手な親が虫好きの子どもと接する際に心掛けるべき6つのこと

kasa4569tonbo@gmail.com
  • 親は虫が嫌いだが、子どもが虫に興味を持ち始めた
  • 虫好きの子どもとどのように接すれば良いのか
  • 子どもが虫を飼いたいと言った場合どうすればいい?

私が活動するNPO法人の昆虫採集イベントや保育園での虫に関する講演に行くと保護者の方から質問をいただきます。

虫に関する質問が多いのですが、「虫好きな子どもとの接し方」に関する質問も非常に多いです。

そこで、今回は私が考える虫が嫌いな親が虫好きな子どもと接する際に心掛けると良いことを6つ紹介します。

この記事を読むことで、虫好きな子どもの自己肯定感を下げずに子どもの好きを伸ばすことができるでしょう。

「自分は虫が嫌いだけど子どもには虫を通して自然に触れてほしい」と悩んでいる保護者の皆さんはぜひご覧ください。

子どもに虫が苦手ということを伝える

子どもには「私(親)は虫が苦手」ということを素直に伝えましょう。

子どもは「自分は好きだけど、他の人は苦手」な物事があることを学ぶことができます。

また、そのような人へどのように接すれば良いのかを考えることができます。

伝える際には虫が好きなことは悪いことではないという大前提を伝えてください。

その上で「○○くんはトマトが嫌いだけど、大好きな人もいるでしょ?」とわかりやすい例えと一緒に伝えてあげることが大切です。

言葉の理解ができない2歳ごろまでのお子さんには難しいかもしれませんが、意思疎通ができる年齢のお子さんになればある程度「苦手な人への配慮」ができるでしょう。

虫に対する否定的な事を言わない

子どもが興味を持った虫に対する否定的な発言は極力控えましょう。

親が虫に対して否定的な発言をしていると子どもは「虫や虫が好きな事はいけないこと」と考えてしまいます

昔は虫に触れていたのに大人になったら触れなくなった。苦手になった。という方も多いのではないでしょうか。

歳を重ねたことでハチや毛虫などの虫刺されの怖さや、蚊の煩わしさを知ったため、虫の怖さを知ったこともあると思います。

しかし、私はそれ以上に親や周りの人の反応に影響され、苦手になったと言う方が多くいると考えます

「セミはうるさいから嫌い」。「ゴキブリは見るだけで無理」。「ダンゴムシの足の動きが気持ち悪い」など、自分(子ども)が大好きな親や友達が嫌いや気持ち悪いと言っているのを見聞きすると子どもは「虫=悪」と感じ始めます

そうすると子どもは段々と虫への興味が薄れ、いずれは「虫が嫌いな大人」へとなってしまいます。

危険な虫がいることを伝えることはもちろん大切です。虫の中には危ない虫がいることはしっかりと伝えましょう。

「公園や森など身近に潜む注意すべき虫と予防策」についてはこちら

しかし、「虫=悪」とすると子どもは虫の全てが悪と考えるようになってしまいます。

子どもが虫に対して興味を持ち続けている間だけでも可能な限り子どもの好きに対して否定的な発言は控えるように心掛けてみましょう。

虫を捕まえた時の第一声は必ず子どもを褒める

子どもが虫を捕まえることができた時は必ず褒めたり、喜びを共感したりしましょう。

虫を捕まえることで小さな成功体験を重ねることができ、子どもは自己肯定感や達成感、向上心を持つことができます。

虫捕りが子どもに与える学びや影響・効果についてはこちら

大好きなママやパパに「虫を捕まえることができたよ!」と報告した時に親が嫌悪感を抱いた顔をしていたり、「怖い・嫌い・捨ててきなさい」と言ったりすると子どもはおそらく「いけない事をしてしまったのではないか」と感じるのではないでしょうか。

苦手な虫を見せられることは辛いかもしれませんが、子どもの頑張りを褒めたり、共感できると良いですね。

どうしても虫を見ることができない場合、虫は見ずに嬉しそうに報告をする子どもの表情を見るようにしましょう。自然と労いの言葉が出て来るはずです。

基本はキャッチアンド観察アンドリリース

親が虫が苦手な場合、「虫を捕まえたら観察してその場で逃がす」ことを子どもに提案しましょう。

子どもは頑張って捕まえた虫を虫かごに入れて持ち帰りたがりますが、虫が苦手な親としては素直に良いよとは言えない気持ちがあると思います。

  • 家に虫がいるのが耐えられない
  • 子どもは虫をすぐに死なせてしまうのではないか

など様々な考えが頭をよぎります。

そんな時は子どもに「虫さんを連れて帰ったら虫さんは家族と離れ離れになってしまうから少し見てバイバイしてあげよう」とまずは情に訴えてみてください。

子どもはママ・パパと離れる寂しさを知っているため、共感し、受け入れてくれる可能性が高いからです。

チョウやトンボ、セミなど空を飛ぶ虫の場合は「狭い虫かごの中だと羽が痛んで飛べなくなっちゃうからバイバイしよう」と伝えるのも一つの方法です。

それでも「どうしても家で飼いたい」と言った場合は、1匹だけ連れて帰る提案をしてください

自分で育てるという責任感を養ったり、命の大切さを学んだりするため子どもの意思を尊重しましょう。

連れて帰るのは、バッタのような虫かごで飼育することができる虫がオススメです。

バッタは虫かごに葉っぱを入れておくだけで飼うことができ、子どもが行う飼育に適しています。

てんとう虫(ナナホシテントウ)も飼いやすそうに見えますが、餌はアブラムシのため葉っぱだけでは飼うことはできません

虫の飼育はベランダや庭など家の外で行う

虫を家で飼うこととなった場合、飼育場所は直射日光が当たらないベランダや庭など家の外にしましょう。

家の中で飼っていて虫が脱走した場合、虫が苦手な人にとっては生きた心地がしませんね。

息子夫婦は揃って虫が苦手のため、子どもとは家の外で虫を飼うことを約束した上で連れて帰っています

私の場合は、虫が大好きなので、昆虫採集で捕まえた虫や、ヤゴを家の中で飼育したり、観察しています。

秋には捕まえたコオロギを虫かごに入れて枕元に置き、寝る時は虫たちの鳴らす音を楽しみながら寝ています。

ある時、コオロギが脱走し、家の中を徘徊しているところを家族が発見。その時は強く怒られました。

自分の家は家族がそれぞれ一番安心できる居場所であるべきです。

家族全員が心地よく生活ができるよう、家で虫を飼う際のルールはあらかじめ子どもと決めておくと良いでしょう。

昆虫教室やイベントに子どもを連れていく

親は虫が苦手だけど、子どもの好きなことはどんどん体験させたいと言う方は、昆虫教室やイベントに参加すると良いでしょう。

夏から秋には行政や地域の子育て支援団体が「鳴く虫の観察会」や「昆虫標本作り」など虫に関するイベントを実施します。

ぜひそのイベントにお子さんを連れて行ってあげてください。

虫好きなスタッフが子どもの興味・関心を全力で受け止めてくれるはずです。

私が所属しているNPO団体でも葛飾区水元公園で毎月2回、動植物の観察を行う「自然観察会」を。夏には「昆虫標本作り会」や「セミの羽化観察会」などを開催しています。

そこには親子で虫が大好きなご家庭が参加することもあれば、親は虫が苦手で、子どもは虫が大好きというご家庭も参加いただいています

虫好きの子ども同士が一緒に虫を観察することで新たな交流も生まれて行き、子ども自身の世界も家・学校以外にどんどん広がっていくでしょう。

過去には虫が苦手な親が、子ども以上に虫に興味を持つようになったこともありました

まとめ

虫が嫌いな親が虫好きな子どもと接する際に心掛けることを6つ紹介しました。

「自分は虫が嫌いだけど子どもには好きなことを体験させてあげたい」と考える親の皆さんは本当に素晴らしいです。

ですが、苦手なことを我慢してストレスを過度に抱える必要はありません

いつかは我慢の限界を迎えてしまいます。

虫に関して言えば、以下の点を心掛けていただくことで「程よい距離感」を保つことができます。

  • 自分は苦手と言うことを伝える
  • 子どもの好き・頑張りを否定しない
  • 任せられるところは得意な人に任せる

子どもの興味・成長を心から喜ぶことができる距離感を保ちつつ、子どもの虫好きを応援してあげましょう。

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ABOUT ME
管理人(とんぼ)
管理人(とんぼ)
東京都生まれ。虫捕り歴65年。 葛飾区で幼少期を過ごし、子どもの頃から虫が大好き。 虫の中でも一番好きなものはとんぼで、30歳の頃に日本トンボ学会へ入会。 仕事をしながら自然保護を目的としたNPO団体を友人と設立。ほかにも幼稚園や保育園、小学校や大学で虫に関する講演を行い、仕事をリタイアした現在もむしに関する活動を続けています。
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